「さんちゃん、あなたがドラムを叩いているのは、あなたの意志ではないのよ」
ある音楽の先生に言われた言葉だ。
昔、メンバーみんな(当時はまだマツコップはいない)で音楽理論を習いに行っていたときの話。
「一見、自分で選んだ道のように思えるけど、それは神様があなたに与えたもの」
そんな事を先生に言われた。
これは別に、神様が僕にドラムの才能を与えてくれたとか、そんな話ではない。
実際、僕はドラムに対して優れた才能なんてないと思っているし、それ故にかなり苦労した。
どんなにドラムを叩いても、なかなか上達できない時期があった。
バンドを組んでいなく、完全に自分一人の趣味としてだったらマイペースで楽しめば良いけど、バンドは個人プレイではない。
自分が上達しない故、バンドが次のステップにいけないのなら、焦りも出てくる。
焦れば焦るほど、僕は何をすれば良いのか分からなくなったし、段々と、音楽が、ドラムが嫌いになっていった。
自分がバンドの足を引っ張っているのなら、自分なんかさっさと辞めて、別のドラムを捜してくれ。
なんて、卑屈な考えを持っていた時期があった。
僕は、色んな事を切り離して考える事ができるような器用なタイプではなかったし、根本に悩みがあると、何をやっても面白くない、気持ちが満たされない人間だったので、そんな事を考えていた時期は毎日が苦痛で仕方なかった。
辞めてしまえば楽になる、そんな事をいつも片隅で考えていたが、そんな事を思うたびに、その音楽の先生の言葉を思いだしていたのだ。
「神様は、あなたに音楽を、ドラムを通して修業させようとしたのよ」
先生が言うには、人間は何かしらの試練を神様から与えられ、それに向かって努力する事により、人間として成長させようとしているというのだ。
なんだかよく聞くような話だし、そんなに鵜呑みにはしていなかったけれど、僕は割りと、人が言った印象深い言葉や、偉人の格言やらなんやらを、勝手に自分の都合に合わせて解釈する癖があった。
ある意味ポジティブなのだ。
そんな具合に先生の言葉を勝手に糧にして、自分に言い聞かせて諦めずに続ける事にした。
メンバーや、まわりからの評価が変わってきたのは、あるドラムの先生に習い出してからだと思う。
その先生とは、数年前に、一緒にツアーをまわるときに出会う事になる。(当時のマネージャーの計らいで、演奏技術のとても高いそのバンドと我々を組ませて、刺激を与えようとしてくれていたのだ)
その先生に習い出してからは、徐々にだけど、まわりからの評価も変わってきてくれた気がする。
今でも、なんだか行き詰まったかな?なんて思うときには、その先生の言葉を思い出してみたりしている。
(本人には言っていないけど、ALL POWER TO THE PEOPLEのスペシャルサンクスには、その先生の名前も勝手に書いてあるんだぜ!)
話が脱線してしまうけれど、ある占いで、僕は年齢を重ねるほど、生きやすくなると言われた事がある。
昔は些細な事を気にしたり、大して重要ではなかったりする事に苦悩してみたり、傷付いてみたり、今思えば笑い話みたいな事がたくさんある。
ここ数年になって、やっと自分なりの価値観というか、本当に自分にとって大事なものが、少しずつではあるけれど、自分なりにではあるけれど、だんだんと分かってきた気がする。
それは音楽に限った話ではなく。
前回(だいぶ前だけど)ブログでも書いたけれど、本当に、今が一番、ドラムが、バンドが、そしてそれ以外の事も楽しいと思っている。
そうそう、先日、僕は誕生日を迎えて、27歳になりました。
もしも僕が、天才ミュージシャンやロックスターだったら、ヘンドリックスやカート・コバーン、ジム・モリソンのようにそろそろ死んでいるかも知れない、こんな一番楽しいって思っている時期に。
だけど僕は天才でもロックスターでもないので、まだまだ死なないで明日を迎えれるはずだ。なんてラッキーなんだろう!!
万歳、俺は昨日から目覚める。
(by ジミ・ヘンドリックス)
(長くなりましたが、読んでくれたみなさん、ありがとうございます。)